名張市滝之原の八幡神社に伝わる神事で,1月9日に行われている。若子とは1年間に地区内で生まれた男児と婿入り養子をいい,近年は女児も加わるようになった。
行事次第は,コバチョウ(各地区の代表),神事を管理・運営する八人衆代表,区長,神職ら参会者が,若子の父親の給仕で「血盟の杯」を交わし,次にオマトという歩射に移る。射手は両親が健在の独身男性で,風水害・疫病害・病虫害・悪魔退散・五穀豊穣・健康安全 を祈願して弓射する。その後,祝座が行われる。祝座は,着座した参会者に献杯三献,デン ガクなどの献立を若子の父親が給仕し,3献目の始まりで謡曲「ぬえ」の一節を謡い行事が 終わり,直会となる。こうした一連の儀礼を経て,若子はムラビトとして認められる。
歩射神事の原形をよく保ち伝承していること,現時点で祭りの継承者も健在であるが,近 年,開発等で地域の景観が急速に変化しつつあり,記録保存を目的とした「記録作成等の措 置を構ずべき無形の民俗文化財です。
三重県教育委員会 八幡神宮の若子祭りより転記
動画
http://www.pref.mie.lg.jp/MOVIE/contents/2045/player_bb2.htm